残像

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残像

瞼を開けて寝床から起き上がる。僕は此の世界に何時も君の片鱗を視る。其れは太陽みたいな笑い声。其れはするりと透けて繋げなかった手。奇をてらう、常時の君の返答。君は確かに此処に居るのに。確かな、存在の筈なのに。不確かな僕は。君にきらきらを蒐めに行こうと強請るのだ。
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