第四章 旗を掲げて

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「もう大丈夫です。何もされていませんし、少し驚いてしまっただけですので。」 と言って二人を止めにかかる。 二人はしぶしぶといった感じで表情をやわらげると、私を先程の大きなテーブルの近くに連れて行った。 青年たちが集まってくると、シルヴァが私の肩を抱いて皆に向かって話し出す。 「彼女は今日から僕たちの仲間だ。はい、自己紹介して。」 「ルージュです。よろしくお願いします。」 深めに頭を下げると青年たちから「よろしくー」と声がかかる。 そこでふと気づいた。 「あの…みなさまは私の目や髪の色について何かおっしゃらないのですか?」 恐る恐る尋ねると、詩人のような雰囲気の青年がキョトンとした顔のまま、口を開いた。 「何かって、何だろう?僕が言えるとしたら、瞳がまるでルビーのようで美しいねってことぐらいかな。」 その言葉にまわりの青年たちがうなずく。 「あの…これって…」 こっそりシルヴァにささやくと、くすりと笑われた。 「あのね、物語の中だとルージュみたいに白髪だったり赤い目だったりする人は少なくないんだ。彼ら以外にも他の作品にこっそり出かけて、お互いに交流してる登場人物やモチーフは多いから驚かない人がほとんどだよ。だから安心して。 人魚たちはあんまり知り合い以外のところに行かないから知らないみたいだけどね。」
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