獣人と○○

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人を羨み、人に憎まれ 金を稼ぐ才はあれど家族とは無縁であり いつか誰ぞに刺されるだろうと思ってたが今日まで生き延びてしまった それも今宵やっと悪運が尽きようとしていると老人は嗤った。 深夜の招かざる客達は土足で老人の寝所である和室に乱入すると1人が布団に寝ている老人に素早く近寄り足でうつぶせの姿勢にすると迷うことなくナイフで背中を刺し、他の2人は部屋を物色しはじめた。 老人は痛みよりもゼェ…ハァッ…という息苦しさが強く、薄れゆく意識でふと庭に来るようになった痩せ細った警戒心の強い野良犬の姿が思い浮かぶ。 ワシが気まぐれに与えた食べ物を用心深げに食べなかったが最近は食べるようになっていた アイツは明日もワシの家へ来てしまうだろうかと
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