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寝静まった深夜にいやらしい水音が部屋に響いている
月に照らされた2つの影は縺れあい
ぐずゅ、ぶちゅッ、くちゅっ、…じゅぽっ
「んぁ…ふッ……んんッぁあ…」
うつぶせで腰を高くあげ寝台がギシギシ鳴るほどの激しさで穿たれた身体は
長時間の酷使で足に力がはいらず崩れおちてもなお動きは止まることはなく
「…もぉぉうゥ…、ッぁああ…、…やめぇ…ぇえッツ…!!」
出し入れされる部分からは入りきらない白濁が太ももをつたいシーツをビショビショに濡らしていた
「ック……お前のここは誘うように動いてるぞ?」
と美声が耳をくすぐり、ついでとばかりに耳の後ろを舐めあげ首をつたう汗を舌でたどると組みしいた身体は小さく震え曲線を描く背をたどり腰の近くにあるピンクの真新しい傷跡に舌を何度も這わせれば堪えられないとばかりに腰や内ももをビクビク震わせる
その片足を掴み自身を半分抜いてから大きく半回転させ熱い内壁をかきわけ更に深く腰を突き挿れて白濁を叩きつけるように放つ
「ひぃ いいぃ゛ッツ!!……ッツ!……ィイぁ………!!」
蕩けきった焦点の合わない瞳は涙に濡れて目の淵を紅く染めあげ閉じられない口は何かを伝えるかのように小さく動く
人には聞き取れない吐息のようなその呟きは聴覚のよい獣の耳に難なくとどき黒い獣の尾が嬉しげにゆれた
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一度死んだ俺の脳は打たれ強くなっていた。
(死にかけたというより俺の感覚では死んだが正しいと思うから)
空に月のようなものが2つ浮かんでいようとも
二足歩行した獣が四つ足の獣と楽しそうに会話をしていようとも!
自分の体がジジィの体から20代ぐらいの体に変化してようとも!!
獣の花嫁にされ交尾をさせられようとも!!!
一週間で順応した。
(まぁ、ジジィの体の時は歩くと膝が痛くて補助杖がなければ歩けなくなってたはずなのに目が覚め歩いてみたら足が痛くないことに違和感が強かったけどそれも少しの間だけだった)
前代未聞の婚礼召喚をした灰色の獣人はさめざめと泣きながら切々と俺に訴える
「し、死にかけの老いぼれを召喚した出来損ない」
「儀式を血で穢した、ぼ、冒涜召喚士」
「れ、歴史に残る大失敗召喚」
(エリート街道が思わぬ茨道を進むことになったらしい。それから俺に子供ができない事から黒い獣人に見合い話がもちこまれたが)
黒い獣人は俺の腰を抱きながら
「こいつは変化人だから、絶対に子供ができないとは言いきれないであろう?」と一蹴した
(俺としては貪欲に貪られる現状が軽くなるなら妻、愛人がどんなにいても大歓迎なんだけど)
こうして始めの人生では手に入れられなかった家族・愛情・友人その他もろもろを此方の世界で俺は手にいれるのだった
了
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