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黒い獣は2足歩行の姿で家の扉を開けると青年が「お帰り」と明るい表情で迎えてくれて、俺の後ろにいる灰色の獣を見ると肩をバシバシ(たた)きながら「悪い。お前の(めし)を別のヤツが()べちまって…」と困った表情でいうのだった。 それを聞いた灰色の獣の(うれ)しそうに()れていた尻尾(しっぽ)がピタリと止まり()()がっていった。 今日の夕食は3人で食べる約束をしていたのだが… 青年は自分用のご飯を灰色の獣に出して自分はパン1つで終わろうとしていたのだが、それを見た黒い獣が自分のご飯の皿を青年に渡すのだが「俺、そんなに腹すいてないし」と黒い獣に皿をもどそうとしていた。 対面(たいめん)に座って、その行ったり来たりする皿を目で追っていた灰色の獣が 「ホント(なか)がイイですよね」と言うのだった。 どちらも(ゆず)らないので料理を半分にして黒い獣に食べるさせる青年であった。 そして夕食を食べ終えて風呂から出てきた黒い獣を見て青年は意地(いじ)の悪い顔をして 「今日、弟がに会いにきたぞ。本当にお前の言ったとおりのイイ性格してた。」と楽し気に言うのだった。 心配そうな顔をする黒い獣の()れた()鼻歌(はなうた)を歌いながら青年はタオルでふいていた。
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