君の黒髪に似合う花を飾ろう

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 わっちは俯き、律さまを見る事も出来んせん。泣くなんて花魁の恥。悔しいのか悲しいのか涙を耐えていると律さまは優しい声をかけんした。 「ごめんね、藤風さん。僕は君とそういう事は出来ない」 「心に誓った人でも居ると?」  律さまは首を振りんした。 「男が好き?」 「まさか」 「だったら何故?」 「ごめんね。俺はこの時代の人間じゃないんだ」  時代? 主は何を言っていんすか?  思わず顔を上げると律さまは哀しげな顔をしんした。
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