君の黒髪に似合う花を飾ろう

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 はと気づいた時には皆の顔が冷や汗で青白く、部屋は静まり返っていんした。こりゃ遣り手に折檻でもされるかと思った時、当のお客は酔いが覚めたようでありんした。  俯き、肩を震わせ、こちらと目が合うと何と大笑いしていんした。 「江戸っ子の啖呵かぁ。面白い、面白いよ、藤風さん」  そしてひとしきり笑った後、わっちらになんと頭を下げんしたのです。 「済まない! 余りに酒が旨くて飲み過ぎた」  呆気にとられるわっちらに律さまは「もう帰る、また来るから」と言い残し部屋を出ていきんした。
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