君の黒髪に似合う花を飾ろう

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 なんと変わった客。これも客の手管か、その日からわっちは律さまの事を思い出さない日はありんせんでした。  一週間後、律さまは素面(しらふ)で登楼しんした。  わっちも色んなお人を見てきんしたけど酒であれほど変わるお人も珍しい。 「皆さん。済みませんでした」  律さまは謝ると皆一様に慌てて顔を上げさせんした。 「律さま、そんなそんな。なにも花魁を殴ったわけでもなしに」  遣り手は手を振りんした。頭を上げた律さまは神妙な顔をしていんした。
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