君の黒髪に似合う花を飾ろう

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 つまり、わっちは料理と酒の添え物? またもやピキリとこめかみが鳴るのを感じんした。 「ねえさま、抑えて」 「そうですぜ、花魁」  けれども我慢できんせん。わっちの意思とは裏腹に口から言葉が漏れんした。 「主さまはこのお職、藤風を酒のつまみだけにするといわすことでありんしょうか」  律さまはポカンとした顔でわっちを見るばかり。遣り手は慌てだすし若い衆は青ざめるし、千鳥は頭を抱えるばかり。 「えっと」  今度は律さまがオロオロするばかり。その態度が本当に尺に触りんす。  これも主の手管でありんすか?
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