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花屋でぼくは、青いユリと出会う
お花屋さんなんて今どき珍しくない。だが、それでもぼくは店の前で立ち止まってしまった。
実家に行きたくない。でも、行かなければならない。極力連絡を取りたくなくて、電話の電源も切ってしまっている。
そんな思いを抱えたぼくを、ただそこに咲く花々は、歓迎してくれたような気がしたから、立ち止まってしまう。
本来ならそんな時間などない。それでも足は自然と店内に向いていた。ぼくには、それを止める気力は残っていない。
花屋の中は想像以上に入り組んでいた。自生するように生い茂った花々が、さらに道を複雑にさせている。奥に入っていくと、ついには出口も見えなくなってしまった。いくつか道も分かれているせいで簡単には戻ることができなさそうだ。
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