プロローグ

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プロローグ

「3学年担任の皆さん 自分の生徒の命か、自分の命かを選択してください 生徒の命を選ぶのであれば、明日8月4日に3年A組の教室に来てください 時間は朝の7時です 自分の命を選ぶのであれば、 残念ながらその大切な命は奪われることになります 皆さんがどんな選択をするのか、楽しみに待っています」  脅迫めいた手紙が送られてきた。  いや、職員室の机に置いてあった。  隣の中村先生の机にも、原先生の机にも。  確かに、3学年の先生の机全てに1通ずつ置かれている。  まぁ、どうせ誰かのいたずらだろう。  始業式にでも話して指導しなくちゃ……と席につく。  ガララ、とドアが開き、藤田先生が入ってきた。 「おはようございます」 「おはようございます」  いつものやりとりをし、藤田先生が荷物を置く。 「ん?これは新田先生が置いたんですか?」  藤田先生が手紙を手にそう聞いてきた。  こちらの作業の手が止まる。  中身を読んでから聞いてほしいと思ったがそうは言えず、 「いえ、僕が出勤したときには既に置かれていたんです。中に脅迫文のようなものが書かれていまして……」 「へぇ…」  興味深そうに手紙を読み始めた藤田先生に問いかけた。 「明日、どうします?手紙の指示に従いますか?」  すると藤田先生は驚いた顔で僕を見た。 「この手紙を信じているんですか?こんなのただのいたずらでしょう」  そんなのは俺にも分かる。 「いえ、そういうことではなく。その手紙通りに明日学校に来れば、そのいたずらの犯人も分かるかと思いまして」
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