ある休日の午後のこと

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「ごめんね…」 「大丈夫。僕はいつだってキミのことを思ってるから。キミがこれで満足出来るなら僕はかまわないよ。」 「もういいのよ、そんな優しさ。」 「だけど…」 「本当にもういいの。」 「そう…わかった。」 「短い間でしたが、ご利用ありがとうございました。また機会がありましたらどうぞよろしくお願いします。」 そう言うと夫、 いえ、元夫は出ていった。 私が売りに出しそして新たに買われた新しい妻の元へ。 最後まで爽やかな笑顔を残して。 そしてーーー インターホンの音と共に小走りで玄関先へ向かう。 慌ててドアを開けると、 「ただいま。腹減った。なんか作って。」 「お、おかえりなさ、うわっ、きゃっ。」 「やっぱ止めた。飯よりまずお前、食ってからにするわ。」 私を軽々と抱きかかえた夫、 そう新たにフリマアプリで手にいれた新しい夫だ。 「い、いきなり?」 「ダメなの?刺激求めてんでしょ?だから前の爽やか野郎は売った…って、前の旦那の話はなしだな。ほら、早く寝室教えろって。」 私を抱えたまま新しい夫は何食わぬ顔して言う。 「そこ、突き当たって奥。」 「りょーかい。」 やっぱりこれくらいの刺激がないとね。 少し高い買い物になったけれど… 仕方ないか。 ベッドにゆっくり降ろすと俺様な夫が言う。 「言っとくけど…」 ーーーー返品できないから ニヤリと一つ笑うと新しい夫は私に覆い被さってきた。 返品出来ないか… まぁ、気に入らなければまた売ればいいし。 フリマアプリって止められない 新しい我が夫に分からないよう微笑むとそのまま快楽の世界へと身を投じた。 スタンド バイ ミー!! 終
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