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ある休日の午後のこと
「ご馳走さま。今日は僕が片付けるよ。」
そう言うと夫は手際よくテーブルのお皿を重ねてシンクへと運ぶ。
「ありがとう。」
夫の優しさに甘えソファへと身体を委ねスマホをチェック。
ふぅん…
アヤ、新しいバック買ったんだ…
あっ、ユイナ、この前、出来たばかりのカフェもういってるじゃん!
友人達のSNSを見ては溜め息を吐く。
「大丈夫?疲れてるんじゃない?」
「えっ…、ううん大丈夫だよ。」
「僕がキミのこと分からないと思ってる?ここ片付けたら肩、マッサージしてあげるよ。もう少し待ってて。」
カウンターキッチンの向こう側。
夫は一旦、洗い物をしている手を止め優しい笑顔でそう言うと再び手を動かす。
夫は優しい。
ろくに家事も出来ない私を責めることもなく甲斐甲斐しくフォローをしてくれる。
けれど…
何かが足りない…
そんな気がしてならないのは私の我儘?
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