目覚め

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目覚め

目が覚めた時、わたしの右手は彼の手と繋がれていた。三頭のドラゴンが重なるように出来たトグロ中で、卵のような光の中にわたしはいて、彼はそのわたしの隣で眠っていた。 彼は黒い衣を纏い、わたしは白い衣。 懐かしくて、愛しさがじんわりと湧き上がる寝顔で、スヤスヤと寝息をたてている。 あなたは誰だろう。 わたしは誰だろう。 そして、ここはどこだろう。 繋がれた手を離せないまま、ぐるりと周りを見渡すと、光の外の世界がほんのりと見える。ドラゴンたちの鱗と、その中の一頭の片目が見えるだけ。彼らもまた眠っているようで、目は閉じられている。 その目が開かれないかと、ジーっと見つめていると、いきなり強い力で後ろに引っ張られ、目の前には、さっきまで寝息をたてていた黒い衣を纏う君の顔が、正面にあった。ち、近い。 「なんだ。起きたのか。この寝坊助め」 彼は、わたしを重なるような近さまで引き寄せると、息のかかるほどの距離で言った。 「わたしの方が先に目を覚したのだけれど」 そう言いたかったのだけれど、彼の目があまりにも魅力的で、言い返せなかった。その代わり、少しだけ両頬に空気を入れた。 それよりも、 「あなたは、誰?」
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