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入学式の日の夜2
「今夜、俺の部屋に来い。」
「へ?」
覚悟はしていたが、まさか次の日だとは思わなかった俺が
いや、という声を出す前に兄は自室に向かってしまった。
「……。」
「最悪だ…」
「え!?ハンバーグ美味しくなかった!?」
呟いた俺に母が焦ったような表情を見せる
「いや!そのことじゃなくて…今日、友達と喧嘩しちゃって…」
俺、このままだと虚言癖になりそうだ…
でも、家族だし、これからもしばらく一緒に暮らすだろう。行かなかったら今後の関係が……………
いや、行っても今後の関係が…………
「行くしかないか」
夜11時。俺はボソリと自室でそう呟き、兄の部屋へ向かった。
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