気弱な僕とリコールの話

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僕の話ではないけれども、友人の晴耕がリコールの対応について咆えていた。 何でも殆どが自腹での対応になるそうだ。 大変だと思ったけれども、僕なら何も言わずに従ってしまうと思う。 でも、愚痴なんかはこぼすだろう。 いや、相手のいない所では僕も。 少し鬱になった。 話は戻って晴耕はリコール先について恐ろしい計画を話しだして聞いている僕は肝を冷やしたが、結局晴耕はやらない事を知っているのでそれ以上は言わなかった。 存外、晴耕は小心者と言うか慎重派と言うか相手が大きければ思い切った行動を起こさない。 本人に言うと小突かれたり五月蠅いので言わないけれども、仕方がない気がする。 大きな相手と争うというのは大変だと思う。 大きければ大きい程。 だけど、そんな晴耕が今回ばかりは少し行動を起こしたのにびっくりした。 僕は気になって晴耕に聞いた。 「声すらあげれなくなったらおしまいなんだよ。何事もな」 黙ってしまう事。 そして許容してしまう事。 成すがままになるという事は怖い。 でも知らずにそうなってしまってはいないか。 そう考えると僕は心中が複雑になってしまった
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