10.追憶、蝉時雨に掻き消されて。

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10.追憶、蝉時雨に掻き消されて。

10.追憶、蝉時雨に掻き消されて。 夏を知らない 忘れた僕ら 床に転んだ 水風船が 破れる前に 思い出せるか 酒石酸の溶けた淡い記憶だって 夏をしてますか? 海を見ますか? スイカちゃんと食べましたか? 夢を見たんだ 僕らがまだ 大人になってはいなくて 花火を見て、 昼に目覚めて ラムネが溢れたんだ 思いだせ彼方、忘れた記憶も きっとまだ有るんだよ また夏に会いたくて探した夜も 僕らは忘れたまま でも待ってればだって必ず夏は来るからさ きっとその時にまた思い出すんだろう ラムネが香るから
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