ごーるでんうぃーくふぇすてぃばる♪

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四月も暮れ。今年の桜はなかなか散りきらずに生き残っているが、そんな余韻に浸る暇もないほど、伊織先生のスタジオメンバーは熱気に満ちていた。今年もゴールデンウィークは、旅館を貸し切りで予約して、みんなで温泉に行く。伊織先生のスタジオのにょたチョコ男子とほんもの女子にとって確実に連携が必要な黄金週間。伊織先生と共に暮らしているアッキー&マッキー、それと薫蘭風ちゃんからの情報をもとに綿密に作戦を練る。 そのためだけのグループLINEも出来上がっている。敵は去年、盗聴器を仕掛けていた。きっと今年も姑息な手段を講じるのだろう。許すまじ。温泉くらいゆっくり入りたいのにーー。 「みんな揃ったー?」 ゴールデンウィーク初日。親父の掛け声が駅前に響いた。今年の慰安旅行は大型の免許を持っている親父がバスを運転していく。なんだかんだ言って親父は重宝されている。 「揃いましたが、今年も私とマッキーと伊織先生は別の車で行きますよ。上司がいたらゆっくり出来ないでしょ?」 アッキーがにこやかに親父に告げる。 「なんだとーー!!バスのおしゃべりタイムを奪う気か!?」 伊織先生は喚いたが、アッキーは意に介さず。 「私とマッキーだけのおしゃべりタイムは嫌なのですか……」 ちょっと切なそうなアッキー&マッキー。 「そんなことないけど!」 「なら決定です。行きましょうか」 そんな具合に伊織先生は、アッキー&マッキーに引きずられていった。 伊織先生と長時間同じバスに乗るのは、にょたチョコ男子もほんもの女子もごめんなんだよ!どんなセクハラされるか分かったもんじゃない!
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