4話

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4話

総「では、連れていくのはこの四人だけでいいな? ここの土地はモリに見てもらうことにしよう。」 スズ「ではモリさんに連絡しますね。あの人が来たら俺らも飛ばしてもらいましょうか。」 スズキ君がモリという人に電話を掛け終わると直ぐに、部屋に一人の男が現れた。 総「この国民の前で説明という名の勝利宣言をしてくるから、イトウとスズキはコイツらの見張りを任せたぞ。逃げないとは思うが。」 「「了解、総統!」」 総「モリは俺に着いてこい。キンジョウはミヤギを呼べ。恐らく、この城の何処かには居るだろう。」 「「了解、総統!」」 三人が部屋を出ると同時に、スズキ君がカジの元へ寄る。 スズ「手、痛くないっすか。」 カジ「大丈夫だ。ありがとな、心配してくれて。」 カジが笑みを浮かべた為、スズキ君の顔が真っ赤になる。 「おいカジ、顔が緩んでるぞ。」 カジ「別にいーだろ。スズキの可愛い顔が見れたんだし。」 「コイツ、両想いって確認した途端これかよ。」 その傍では、イトウと呼ばれていた男とタナカが何やら話をしていた。 イト「悪いが、今だけ縛っておくな。」 タナ「ん、分かってる。」 イトウがタナカの愛刀を回収して手首を背中で縛る。 タナ「それ、僕の大事な刀だから大切に扱えよ。」 イト「当たり前だろ。愛用の武器は命よりも大事だからな。」 …やっぱりコイツらは戦闘狂だな。 隣国の兵達が自由に動いている所為で、緊張感が薄れていく。 スズ「あの、王…」 「ん?もう王じゃないから名前で呼んでよ。タメでも良いし。」 スズ「貴方の方が年は上なんで、タメは無理っすね。 それより、もう戦争は終わったんですから、真実を教えてくださいよ。 ……貴方が死にたがってる訳を。」 カジ「……」 タナ「……」 サト「………」 「……分かった。いいよ。」 カジ「…!?ちょ、良いのか?」 「もう隠すことじゃないしね。確定ではないけど、多分呪いも取れてる。」 俺は、ことの成り行きを全て話した。 30になると死ぬ呪いに掛かっていること。 自分では死ねないようになっていること。 王の血族だけがこの呪いに掛かること。 だから祖先を残す気が無かったということ。 全てを話し終えるとスズキ君が泣きそうな顔をしていた。 「そんな顔しないでよ。もう呪いは解けたんだし。」 タナ「ほんまか!」 「多分、だよ。」 総「それな、もうお前が死ぬことは無いんだな。」 「寿命以外ではね…って、うわっ!!」 当然のように返事をしたが、後ろからここには居ない筈の男の声がした。 「っ、いつの間に…!?」 総「モリの転移で来た。そう驚くな。」 「えぇ…」 総「国民への説明はもう終わった。帰るぞ。」 腕を捕まれて立たされると、先程のモリという男が部屋の中に魔法陣描いていた。 モリ「よし、出来たぞー。」 総「では我が国に帰るとしよう。この土地を頼むぞ。」 モリ「はいはい。できる限り頑張るよ。」 隣国の王を筆頭にして、俺ら四人も魔法陣の上に乗る。 眩い光と共に魔法陣が発動し、俺らは隣国へと転移する。 隣国は物凄いスピードで発展していると聞く。それも、この王が頂点についた時からだ。 それ程までに凄い男なのだろう。……俺とは大違いだ。 光が消えると、何処かの中庭らしい場所にいた。 総「スズキとイトウは軍に二人を案内しろ。キンジョウは他の医者達に紹介を。 俺はまずコイツを部屋に連れていってから勝利宣言をする。」 俺以外の三人の縄を外し、それぞれの場所へと散っていく。 隣国の王に引きずられるようにして、俺はとある部屋に連れてこられた。 総「ここは俺の部屋だが、今日からお前もここに住め。」 「…分かった。」 総「オオサキ。」 「えっ…ん!?」 名前を呼ばれて振り向いた途端に顎を掴まれ、唇に違和感が。 現実逃避をしようにも出来ない距離に隣国の王のかおがある。 腕を後ろで縛られているため、身動きも出来ない。 そういえば二十数年も生きているけれど、生まれて初めてのキスだ。 そう考えてしまうと顔の火照りが治まらない。 総「…大人しく待ってるんだぞ。」 「っ、ぅ……」 今まで注視していなかったが、この男は顔が整っているのだ。 町を歩けば全員の女性が振り向くような顔立ちなのだ、言葉が出てこなくなるのも無理はないと思う。 隣国の王が部屋から出た途端、膝から崩れ落ちた。 「っ……何なんだ、今の…」 暫くそこで動くことが出来なかった。
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