悪魔との契約

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悪魔との契約

――とある国の、邸の地下―― 『我を呼んだのは、お前か。』 「…はい。私が貴方樣をお呼び致しました。」 震える声を押さえつけて、静かに肯定する。 目の前の魔方陣から現れた男は、人ならざるもの。一般的には悪魔と呼ばれ恐れられる存在だ。 『人間風情が我を呼べるとは…ふむ、相当な魔力量だ。 して、お前の望みは何だ。何を差し出せる?』 怪しげな笑みを浮かべる男。 それだけで地下の室温が下がったような気がして、背筋に冷や汗が伝った。 「私の望みは、今現在起こっている戦争に勝つことです。 それが叶うのならば、私がもつ全てのものを差し出します。」 『我は金や権力は興味がない。』 矢張り、何も持たない私では見返りが渡せないのか。あの人の為なら、肉体や魂だって捧げるのに。 『断る……と言いたいところだが。 良いだろう、見返りは、お前の全てだ。』
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