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「そんなことないよ。仕事もがんばってるだろ。
OLのときのこと言ってるなら、昔のことじゃないの?」
実際の私よりかなり甘く評価されている気がして、少し恥ずかしくもなるけれど。
市谷さんに褒めてもらえたことは、やっぱり嬉しい。
「オレは料理も大して出来ないし、裁縫なんて全く出来ない。
オレから見たら、里佳はなんでも出来るって思うよ。」
頬を優しく撫でられて、心臓が大きく跳ね上がる。
「そ、そんなこと・・・。」
「それに。どんなことでも、里佳がしてくれることはオレにとっては特別だ。」
そう言うと、市谷さんは甘く微笑む。
その彼の表情に、私は吸い込まれるように動きを止めた。
「里佳。」
頬に触れていた手を顎に滑らせると、市谷さんは顔を近づけ、そのまま私に口づけた。
胸の奥で、キュンと甘い音が鳴る。
彼の手が私の後頭部を支えると、キスの深さが増していく。
ドキドキする鼓動を感じながら、私も彼に応えるように、彼の背中に腕を回す。
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