6.幸せの階段

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靴を履いたままの私の身体を持ち上げると、そのままベッドに連れて行く。 横たわらせた私の靴を脱がすと、足先から、ストッキングごしの素肌をなぞるように触れていった。 「や・・・。」 くすぐったさと甘さの混ざった感覚に、私は思わず身をよじる。 「里佳。」 市谷さんの顔が、私の真上に重なった。 少し前までは、ずっと怒ったような顔をしていたのに。 今は、いつも通りの優しくて甘い顔で、私のことを見下ろしている。 「ちょっと、意地悪だった?」 「・・・はい・・・。」 「オレ以外の男に、キスなんてさせるから悪いんだぞ。」 そう言いながらも、「ごめん」と甘い声で囁くと、私の髪を優しく撫でる。 「里佳は、オレのキスだけ受け入れろ。」 そっと触れるような口づけが、すぐに深さを増していく。 順番に脱がされた衣服が、音を立ててベッドの下に落ちていった。 シーツの上に、私の素肌がさらされる。 その全てに、何も入り込む余地がないくらい、彼は甘いキスを刻み込んだ。
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