6.幸せの階段

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「本当に嬉しそうだね。」 「そりゃもちろん!市谷さんと、なんとホテルディナーだよ!」 興奮する私に、お姉ちゃんがふふっと笑う。 「里佳は、本当に市谷さんのことが好きだよねえ。」 感心するように言ってから、姉は「うんうん」と小さく頷く。 改めてそう言われると、なんだか妙に恥ずかしい。 「うん・・・好きだけど・・・。」 小声でそう返事をすると、お姉ちゃんは「そっかー」と言って大きく一度伸びをした。 「私、カズくんと結婚することに決めたから。」 「・・・えっ!?」 突然の宣言に、私は大きく目を見開く。 「つ、ついに決めたの!?」 プロポーズされてから数か月。 姉はずっと、「どうしようかなー」と言って、浜口さんを待たせたまま、のんきに結婚を悩んでいた。 「でも、またなんで・・・っていうのも、ヘンかもしれないけど・・・。」 あれだけずっと悩んでいたのに。 結婚の決め手は、いったいなんだったのだろう。 「んー・・・なんかさ、私はカズくんがいなくても生きていける気がするんだけど、カズくんは、私がいないと生きていけない気がするんだよねえ。」 「・・・へ?」
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