1 強引な紹介

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「えっ!?い、いいよ。もちろん、あいさつくらいはするけど。」 玲奈の言う「紹介」は、ただの知人紹介ではなさそうで、私はちょっと、後ずさる。 前の彼氏と別れてから、もうすぐ2年。 そろそろ新しい恋に踏み出したいところではあるけれど、突然すぎる申し出に、心の準備は出来てない。 「無愛想だけどね、しっかりした人だよ。龍平も、いい人だって言ってたし。」 龍平くんは、明るくて気のいいタイプ。 彼の基準に合わせると、世の中の9割は、いい人に分類される気がしてしまう。 「う、うーん・・・。いや、でも、むこうだっていきなりそんな・・・。 びっくりするでしょう。」 「でも、だいぶ彼女いないみたいなんだよねえ。喜ぶかもしれないし。」 (無愛想な人が、そんな急な事態を喜ぶかな・・・。) 「とにかく、里佳もそろそろ彼氏見つけたほうがいいって! かっこいいのは保証するから、とりあえず紹介するね!」 「え、えー・・・。」 私は、苦虫を噛み潰したような声を出す。 (まあ・・・龍平くんの手前もあるし・・・。 適当に挨拶して、何気なくその場を立ち去ろう!)
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