7.広がる絆

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「ほら。お父さんも、なんか言って。」 無言でお茶を飲み続けるお父さんを、お母さんが肘でつつく。 「あ、ああ。いや、本当に、嬉しく思います。直哉も、よかったな。」 チラリと私に目を向けてから、市谷さんに言葉をかける。 「んもー!もっと何かないの?」 「・・・十分だろう。」 お母さんの問いかけに、お父さんはそう言って、再びお茶を飲み始める。 「もう・・・。ごめんねー、里佳ちゃん。 お父さん、普段からあんまり話す人じゃないんだけど、若い女の子相手だと、ますます何話していいかわからなくなっちゃうのよね。 怒ってるわけじゃないからね。」 「はい。」 (ふふっ、本当だ。お父さん・・・市谷さんに、なんだかちょっと似てるかも。) 「うちは息子二人でしょう?だから、お嫁さんが来てくれると、娘が増えて本当にうれしいの。」 お父さんの分まで代弁するように、お母さんは私にいろいろと話してくれる。
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