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布団の中で寝ているような暖かい気持ちにホッとして、身体から力が抜けていくのがわかった。
「おやすみ。」
ともが言ったひと言は魔法のようだ。
「慶太、乗り換え。」
「…うん。」
思ったよりも深く眠りに入り、返事をするのに精一杯でともの腕に掴まりながら引きずられるように歩いた。
何度かそんなことを繰り返して、3つめの県に入っていた。時刻も後1時間で日付が変わるまでになっている。
「人いなくなったね。」
「起きたんだ。」
「うん、おはよう。」
「おはようってこれから夜なのに。」
そうだなって2人で笑った。
そのあとは無言で電車に揺られた。
でも心地良い。
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