竜ときと

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指で絵を描いてくれた。二人の少し前方まで進むと、速度を落とした。その姿を過ぎていく。  青の竜がじぐざぐに飛んでいる。緑の竜はニードと別の竜で、上昇と下降を繰り返しているらしい。黄色の竜はじぐざぐに飛んだり、直進しながら体を回転させたりと、不規則らしい。ほかにも数体の竜が、こちらに合わせてそれぞれに飛んでいる。  やがて赤き天の清流にたどり着いて、グリエネードは着地した。  和也は、自らの肉体に付けた、複数のリングを見た。赤色の炎が、それぞれのリングからゆらめいている。  前を向く。白みがかった水色のきらめいた物が、赤き天の清流という場所の地面となっている。赤き天の清流には、おおよそで長方形のくぼみがある、台座のような地形があって、その場所を赤き天の清流の水受けと呼んでいる。目と鼻の先にそこはあって、赤き天の清流の水受けの手前で足を止めると、くぼみにリングから赤色の固定値を注ぐ。赤色の液体は、赤き天の清流のきらめきを受けながら、くぼみに溜まっていく。  ほどなく赤き天の清流の水受けは満たされて、それは一気に、白みがかった水色の地面の外の前方の遠くまで広がった。  和也は喜びに満ちていた。赤色の筋は鮮やかで、赤や青や黄色などのきらめ
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