二人

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二人

 夏が終わった。次はクリスマス。そしてぼくたちはなんの味もしない秋を過ごしている。落ちついた雰囲気に趣を感じるには若すぎるようだった。 「ねえ。聞いてるのわたしの話」 ふと注意を目の前に向けると不服そうな顔をしている香織がいた。 「あ、ごめん。何の話?聞いてなかった」 「まったく仕方ないんだから。」 香織は話を再開させた。化粧やファッションについて延々と話し続けている。康太にとってはなんの興味もそそらない話だった。 マッチングアプリで出会った二人は二ヶ月前から交際を始めた。
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