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「どうしたのです、お二人さん。黙り込んでしまって。」
店主が戻ってきた。片手には何かの袋。
「これを寝る前に一回一錠飲んで下さい。忘れてはいけませんよ。あと、あまり後ろ向きな考えはよくありません、良くない物も一緒に呼び寄せてしまいます。」
「わかりました。後ろ向きな思考については・・・努力してみます。お代はどうしたら良いのでしょうか?」
「では、いま鞄につけているお守りを頂いても良いでしょうか?」
「これは、あの神社で買ってもらったお守りで、ずっと一緒にいた大事な物です、他の物じゃだめですか?」
彼女の顔が雲る。
「申し訳ありませんが、こちらも慈善事業ではないので、対価にはそれなりの物を頂かないといけません。」
「でもこれはだめです。」
「わかりました。では、残念ですが、薬をお渡しする事はできません。」
「いえ、お話を聞いて頂いただけでも良かったです。ありがとうございました。」
「ここをでて左にまっすぐ行って下さい、決して振り返ってはいけませんよ。そうしたら元の道に戻れます。対価を支払う決心がついた時、本当に助けが必要になった時はこの番号まで電話を掛けて下さい。では幸運を。」
と、店主は11桁の数字が書かれたメモを彼女に渡した。
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