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「どうでしょう、あなたの道が見つかるまで、ここでアルバイトをしてみるのは?」
「はい?」
意外な提案が出て、変な声が出た。
「ちょうど人手が欲しくて、アルバイトを募集していたのですよ、いや~丁度よかった。」「いや、丁度よかったって、まるで私が此所でバイトをするのが決定事項のような感じで言わないで下さいよ。私だって断る権利が・・・」
「嫌ですか?」
意外だ、といわんばかりの表情で言われて、一瞬たじろぐ。
「嫌だって訳ではないですけど、ちょっと考える時間くらいあったって良いかな、と思うんですよね。」
半笑いのような表情でなんとか逃げ切ろうとする
「嫌な訳じゃなかったら良いじゃないですか、次の職場が見つかるまでのつなぎと思ってくれて良いですから。本当に丁度手伝いが欲しいと思っていたところなんですよ。」
どうやら相手の方が一枚上手だったらしく、あっという間に此所でバイトをする様な流れになって行く。よく考えれば、次の就職先が見つからないまま辞めてしまったので、次が見つかるまでは無職無収入、少しゆっくりとしたいという思いもあった。丁度良いかもしれない。
「では、次の就職先が決まるまで、此所でお世話になろうかな。」
この奇妙な縁を少し利用してみる事にしよう。
「よかったです承諾していただいて。では詳細を決めましょうか・・・・・・」
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