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いざ、推し誘拐へ!
「現行犯逮捕。親御さんから捜索願いも出ていた3日間家に帰ってこなかった倉内加奈ですね、顔写真とそっくりなので間違いないかと。さて、君、最近うろついていたのはこの子で間違いありませんか?」
「うわ……はい、そうです。……すみません、やっぱ接近禁止令も出しときたいので、手続きどこでできますかね」
推しは、私の前に現れてくれた。向こうから。
ただ、警察官というお友達をいっぱいつれて、だ。
スタンガンを手に結束バンドや毛布などが入ったキャリーワゴンを引いている私を見て推しの表情はマスクで隠れていてもわかるほどドン引きしたように歪み、警察は怖い顔をして私を拘束した。
苦労して購入した品々は全部没収された。
「親御さんに電話するからね。君、わかってる? しようとしてたこと犯罪だからね。ちょっと冷たい所に入ることになるけど、それ相応の覚悟をしておきなさい。おまわりさんと親御さん、学校の先生できついお灸を据えてあげるから」
警察のお姉さんの話を聞きながら、私は思った。
誘拐、ダメ、絶対
fin
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