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王女の言い分
王と兄との会合から自室に戻ったコトリは、実に上機嫌だった。
「それで、どうやって言いくるめたのですか?」
コトリの侍女、サヨは飴色の卓の上に色とりどりの菓子を並べていく。
「言いくるめただなんて、人聞きの悪い」
「姫様のお人柄はよく存じておりますから、つい」
「以前から父上の周辺が怪しい動きをしているのは知っていたから、事前に計画して準備していただけよ」
サヨは、コトリが幼少の頃に彼女の遊び相手として連れてこられた高位貴族の三女で、十歳を過ぎてからは正式な侍女としてコトリに侍っている。二歳年上のサヨはコトリの忠実な下僕であると同時に、友とも呼べる仲であった。このような軽口は日常茶飯事である。
コトリは、手に持つ扇をくるくると回転させながら、掻い摘んで事の次第を説明した。
「ワタリ様がそんなことを」
「前から薄々気づいていたもの。今更驚かないわ」
「何にせよ、上手く行って良かったですね。おめでとうございます」
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