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そしてパーティー当日。
俺は親父たちと一緒に先に行ってプレジールホテルのラウンジで義姉さんと遥菜を待っていた。
とりあえず遥菜が来たら一緒にいて、ある程度結婚したことを広めればそれでいいだろうと算段をしていた。
あとはこういうパーティだ。
遥菜も嫌だろうし、義姉さんと会場の中で食事でも取りながら一緒にいてもらったらいい。
しばらくしてヘアメイクをされ、ドレスに着替えた2人が現れた。
「皆さん遥菜ちゃんを見て。とっても可愛いの。ほら理人くん、遥菜ちゃんめちゃくちゃ可愛いでしょ」
遥菜が目の前に現れたとき、俺は息を呑んだ。
とにかく可愛かった。
色っぽかった。
普段も可愛らしい顔はしているが、それに増して艶っぽくて魅惑的な色気が漂い、目が離せなくなってしまった。
肩にショールはかかっているものの、遥菜が着ているドレスは背中は空き、胸元まではシースルーのホルターネックのドレスだった。
肌の露出はかなり気になったが、淡いブルーの上品でエレガントなドレスは遥菜にとてもよく似合っていた。
誰にも見せたくない──。
誰にも触れさせたくない──。
心の中でそんな感情が芽生え始める。
梨香子もピアノを弾くときはよくドレスを着ていたがこんなことは一度も感じたことはない。
女性を見てこんな気持ちになったのは初めてだった。
「おい、理人。見惚れてないで遥菜さんに何か言ってやれよ。お前、そんなんだとすぐに遥菜さんに愛想を尽かされるぞ。こんな可愛い遥菜さんを誰かに取られてしまっていいのか?」
兄貴の言葉は聞こえていたが、これからこの遥菜をパーティー会場へ連れて入らなければならないと思うと俺はなぜか急にイライラとし始めていた。
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