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「い、いえ……。今日は朝から緊張しちゃってて、ちゃんと理人さんの妻が務まるのかなって……」
朝から緊張していたのか。
こんな思いをさせてしまって悪かったな。
申し訳なさで心が痛む。
「遥菜、いろいろ大変な思いをさせて悪かったな。今日は申し訳ないがよろしく頼む。緊張していると今みたいにふらついたらいけないから、会場では俺から絶対に離れるなよ」
俺は遥菜の右手を掴んで自分の左腕にその手を絡ませた。
こうしておけば遥菜は俺から離れないはずだ。
それに誰かが近づいてきたり、声をかけられたり、触れられたりすることもないだろう。
それは絶対に阻止しなければならない。
パーティー会場に入ると、会場の中は既に多くの招待客で埋め尽くされていた。
これだけ人が多ければ、ある程度結婚したことを広めたら、早めに退散できるかもしれない。
とりあえず誰から挨拶しようかと考えていたら、大和社長自ら俺の前にやってきた。
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