理人Side④ -初めての気持ち-

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「い、いえ……。今日は朝から緊張しちゃってて、ちゃんと理人さんの妻が務まるのかなって……」 朝から緊張していたのか。 こんな思いをさせてしまって悪かったな。 申し訳なさで心が痛む。 「遥菜、いろいろ大変な思いをさせて悪かったな。今日は申し訳ないがよろしく頼む。緊張していると今みたいにふらついたらいけないから、会場では俺から絶対に離れるなよ」 俺は遥菜の右手を掴んで自分の左腕にその手を絡ませた。 こうしておけば遥菜は俺から離れないはずだ。 それに誰かが近づいてきたり、声をかけられたり、触れられたりすることもないだろう。 それは絶対に阻止しなければならない。 パーティー会場に入ると、会場の中は既に多くの招待客で埋め尽くされていた。 これだけ人が多ければ、ある程度結婚したことを広めたら、早めに退散できるかもしれない。 とりあえず誰から挨拶しようかと考えていたら、大和社長自ら俺の前にやってきた。
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