理人Side⑤ -穏やかな休日-

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「理人さん、昨日はすみませんでした。あんなに酔いつぶれてしまって、それに理人さんにまでものすごく迷惑をかけて、本当に本当にごめんなさい。それに勝手に理人さんのベッドで寝てしまって、本当にすみませんでした」 リビングのドアを開けると、俺の顔を見た遥菜がすぐに頭を下げてきた。 朝起きて自分の状況を確認したはずだ。 おそらく相当なダメージを受けているんだろう。 全く顔を上げようとしない。 俺は口元を弓型にして微笑みながら遥菜に声をかけた。 「昨日は楽しかったか?」 ゆっくりと顔を上げた遥菜は、俺の顔を見た途端、涙を零し始めた。 「どうした? 何を泣いているんだ?」 「ごっ、ごめんなさい……」 こいつの性格だ。 朝から今までずっと考えていたんだろう。 そんなに気にすることないのに。 俺は遥菜の頭に触れると、頬に流れた涙を指で拭った。 俺を見上げてじっと視線を向ける顔に、そのまま昨日と同じように抱き締めてしまいそうになる。 俺は遥菜の頬から手を離すと、笑顔を向けた。 「スノーエージェンシーの松村さんと言ったか? 楽しい飲み会だったみたいだな?」 何も言わず頷く遥菜が可愛くて堪らない。 「楽しい飲み会なら良かったな。ちょっと着替えてくる。悪いんだがこれから夕飯を作ってもらえないか? まだ昼飯も食べてなくてな。材料がないなら外に食べに行こうと思うが」 「あっ、あります。作ります。作らせてください!」 遥菜はそう言ってキッチンに移動すると、夜ごはんを作り始めた。
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