理人Side⑤ -穏やかな休日-

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「遥菜」 名前を呼ぶと、なんだかとても驚いたように声を上げた。 「はっ、はっ、はい……」 「今日はどうしたんだ? 何をそんなにガチガチに固まっているんだ?」 「あ、えっと、あの……、なっ、なんか、くっ、車が速いなぁと……」 どういうわけか、しどろもどろになりながら顔を引き攣らせている。 もしかして、車を飛ばし過ぎたか……。 車高が低いとスピード感があるからな。 もう少し速度を落とした方がよかったか……。 「この車はフェラーリだからな。速いと怖いか?」 「いっ、いえ、全然。だっ、大丈夫です」 今度は急に頬に手を当てて、嬉しそうな顔をし始めた。 よく分からないが、とにかく仕草が可愛い。 俺は込み上げてくる笑みを堪えながら運転を続けた。
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