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その後は一緒に見て回って遥菜が色々と選びながら食材をかごに入れていった。
世の中の夫婦というのはいつもこんな風に買い物をしているのだろうか。
途中、ソーセージの試食をされられたり、2人で何がいいか相談しながら食材をかごに入れたり、魚屋のおやじに声をかけられてハラスを買ってみたり……と、俺が一緒にいるにもかかわらず他人の妻に対して遠慮もなく可愛いという魚屋のおやじはどうかとも思ったが、こんな風に買い物するのは初めての経験でとても楽しかった。
「ここに来たら、あの魚屋のおじさんはまた値引きしてくれんのかな?」
「ど、どうでしょう……?」
遥菜が少し頬を赤く染めながら首を傾げる。
「俺が後ろにいたのに他人の妻に遠慮もなく可愛いというのはどうかと思うが、まあハラスの感想も言わないといけないしな。また来るか?」
遥菜と買い物をしながら、またこういう時間を過ごしたいと願っている俺がいた。
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