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買い物から帰って、遥菜は買ってきた材料を手際よく冷蔵庫の中に入れていった。
そのまま夕飯を作り始めたようだ。
リビングにガーリックのいい匂いが漂ってきた。
「理人さん、夜ごはんの準備ができましたけど、もう食べられますか?」
俺は見ていたタブレットを閉じると、手を洗ってダイニングテーブルに座った。
湯気の立ったパスタと、爽やかな彩りのサラダ、そして先ほど買ってきたマンゴーがさいの目状に綺麗に切られてテーブルの上に並んでいる。
「おっ、なかなかいい感じじゃないか。見た感じは再現出来てるな」
ニヤッと意地悪く笑いながら遥菜の顔を見る。
「半分は合格だな。じゃあ後は味が再現できているかどうかだな」
俺は早速フォークを手に取ると、まずはサラダの中のアスパラを刺して口に入れた。
これはなかなか旨い。
ほんのり塩味のついたアスパラがシャキシャキとしてドレッシングと合っている。
俺はアスパラを咀嚼して飲み込んだあと、次に蟹と帆立のマリネを口に入れた。 これもレモンの酸味と塩胡椒のバランスがちょうどよくて、悔しいけれどきちんと再現できている。
やっぱりこいつ、料理上手いよな。
俺はさっきと同じように無言のまま咀嚼して飲み込んだ。
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