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遥菜に視線を向けると、チラチラと俺の表情を窺っていた。
きっと早く感想言ってほしいんだろうな……。
そう思うけれど、不安そうに何度も俺の顔を見ているのがまた可愛くて、俺は少し意地悪をしてみたくなった。
そのまま今度はしらすとキャベツのパスタを口に入れた。
うわっ。これはマジで旨い。
パスタのゆで加減も、オイルの具合も、そしてガーリックと塩分のバランスも全て完璧だった。
遥菜はさっきから、パスタをクルクルと巻いては皿に戻し、口に入れようとしてはまた皿に戻すという作業を繰り返していた。
もう1回ぐらい意地悪してやろうと思い、また無言のままパスタを口に入れる。
あー、マジで本当に旨い。
もうひと口……と思い遥菜に視線を向けると、顔が曇り始めていた。
うぉっ。ヤバい。
これはそろそろ感想を言ってやらないと……。
「遥菜」
俺はフォークとスプーンを置いて少し難しい表情をしながら、込み上げてくる笑いを抑えるように口元に手を当てた。
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