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梨香子への愛しさが日に日に増え続ける中、何かと理由をつけてはなぜか俺と一緒に寝ようとしない梨香子に、俺は少しずつ不安になり始めていた。
梨香子が俺と距離を取っているのは、また俺から離れていこうとしているのか──?
前の時は別れることも仕方ないと思っていたし、辛いとも思わなかったけれど、これだけ梨香子への愛しさが募っている俺には、もう目の前にいる梨香子を手放すなんて考えることができなかった。
俺は嫌がる梨香子を少し強引に掴まえ、少しでも自分が安心を得たくてベッドの中で抱いた。
キスをすると、梨香子は涙を流していた。
その涙を見て、途端に不安になる。
やっぱり俺のことは好きじゃないのか──?
「どうして……、泣いてるんだ?」
恐る恐る、梨香子に尋ねる。
ここで好きじゃないと言われたら、俺はどうしたらいいんだろう。
梨香子のことが好きすぎて胸が苦しい。
だが、梨香子から聞こえてきた答えは、俺を幸せにする言葉だった。
「……好きなの………。大好きなの………。理人さんが、理人さんが好き………」
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