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ほっとすると同時に、嬉しくて貪るように唇を塞ぐ。
女を抱いていてここまで自分の感情が乱れ、幸せを感じたことがあっただろうか。
そういう気持ちだからなのか、何度も梨香子を抱いたことがあるはずなのに、俺は初めて好きな女を抱いたような気持ちになっていた。
俺の身体で感じている梨香子の反応がまた可愛くて、何度も喘ぎ声をあげながら俺にしがみついてくる梨香子に、俺は夢中になりながら梨香子の身体に触れ続けた。
そして逆に、俺も梨香子の身体でこの上ない気持ち良さを味わった。それは今までとは比べものにならないくらい気持ち良くておかしくなるくらいの感覚だった。
女を愛しいと思って抱くと、こんなにも違うものなのか?
俺の心も身体も、もう梨香子を手放すことはできなくなっていた。
充実した毎日を送る中で、学生時代の友達の湯川海斗が俺に連絡をしてきた。久しぶりに一緒に酒でも飲まないかという話だった。
できることなら夜は梨香子と2人の時間を過ごしたい俺は、海斗に飲みではなく昼間の飯なら付き合うと答えると、それなら自分のオフィスの下にある和食の店で食事をしようと言われ、海斗が指定した店に向かった。
その店は、何度か海斗と一緒に食事をしたことのある店だった。なので女将のことも知っている。
海斗と俺が一緒に店に行くと、女将は「綾瀬様、お久しぶりです。お待ちしておりました」とにこやかに声をかけてきた。
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