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とりあえず俺は家に帰ることにした。
帰って、家にいる梨香子、おそらく遥菜という女性の様子を見てみよう──。
家に帰った俺は、梨香子、いや遥菜という女性の様子を観察し始めた。夕食の時は会話を減らし、とにかく様子を窺った。
だが、これといって不信なところは全く見つからなかった。
俺に向けられる笑顔も、優しく気遣うところも、決して俺を騙しているような悪い女性には思えない。
食事を終えた俺は、その場から立ち去るように浴室に向かった。バスタブの中で、先ほどの様子を思い出しながらまた考える。
おかしいと言えば、やっぱり俺が最初に感じた違和感。
敬語で話すこと、料理が上手いこと、そして俺と距離を取っていること。
それが梨香子じゃなかったと思えば、全て納得がいく。
じゃあ、彼女はどうして俺に抱かれた?
俺は梨香子と呼んで抱いたはずだ。
他の女の名前を呼ばれながら抱かれたのか?
どうして──?
浴室から出ると、彼女は俺と入れ替わるように浴室に入っていった。
これからどうしたらいいのか。
遥菜と呼べば、彼女は本当に返事をするのか?
妙な緊張感が身体の中を駆け巡る。
彼女が浴室から出てきて、いつものように2人で俺の寝室へ移動した。
彼女がベッドの中に入り、俺は一瞬躊躇いながらも、ベッドの中に入った。
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