仕事と結婚

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仕事と結婚

3月最初の月曜日。 今日からまた長い一週間が始まる。 春めいてきたとはいえ、出勤する朝のこの時間はまだ冬物のコートを必要とするくらい寒さを感じる。 駅までの道をただ黙々と歩いていると、ピンと張り詰めた冷たい空気が頬に触れ、私は思わず両手で頬を挟んだ。 仕事に行く義務感しかない月曜日の朝。 少しでも気持ちを奮い立たせようと、ほぉーと気怠く息を吐くと、白い息が煙のように空へと消えていった。 周りには私と同じようにサラリーマンやOL、学生たちが真っ直ぐに横浜駅へと向かっている。 いつもの朝の風景、見慣れた景色。 月曜の朝なんて来なきゃいいのに。 この中で会社や学校に行きたいと思ってる人は何人いるんだろう。 これも月曜になると毎週思ってしまうことだ。 そんなことを思いながら、私は通勤通学の人たちで溢れかえった駅の改札を潜り抜けた。 改札を通ったあとも人の波は一向に減ることなく、ホームへと向かう階段さえ満足に登れない。 毎日のことだけれど、この牛歩のような歩きにうんざりとしながら小さく溜息を吐く。 やっと階段を登り終えた私は、定刻通りにホームに入ってきた電車に乗り込むと、後ろから乗り込んでくる人に押し込まれながら、目の前にぶら下がった吊り革を握りしめた。
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