仕事と結婚

7/8
12676人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
「何のために結婚してるか分からないって言われてもさ、それが分かってて旦那も結婚したわけじゃん。こっちだって遊んで遅くなってるわけじゃないんだし。ちゃんと仕事してるんだしね。 だけどやっぱりきちんと家事をできてないことが旦那に対して申し訳ないなって思うんだよね。だから私も疲れてるけど土日は料理や洗濯、掃除してさ。自分の休みが潰れても頑張って家事をしてね。たまにはラクして外食したいけど、普段ごはんが作れてないから外食したいってことも言いづらくてね。 ある日ね、私だって我慢して頑張ってるのに、それが当たり前みたいな態度で言われたの。こっちも腹が立つよね。それで段々と喧嘩が増えていってすれ違うようになってね。 私が仕事を辞めて家庭に入れば良かったのかもしれないけど、この仕事好きだし子供ができるまでは貯金もしたかったし、まだ辞めたくなかったんだよね。だからさ、この仕事してる間は結婚はしないって思ってる。まあもし仮に結婚したとしても……、そうだ! 週末婚とかだったらいいと思わない?」 美里さんの話を聞きながら、私は自分の結婚について考えていた。 私には付き合って2年の彼氏がいる。 同じ営業部の町田清貴(きよたか)という男性だ。 美里さんの同期で5つ上の33歳。 茶髪で少し日本人離れした彫りの深い顔立ち。 学生時代にサッカーをしていただけあって、体格もがっちりして身長も高く、よくモテる。 清貴のアシスタントについて3年。 うちの取引先の中でも重要なクライアントを担当している清貴だったので、最初の1年はとにかく迷惑をかけないように仕事をすることで必死だった。 他のアシスタントの女性たちには清貴のアシスタントになったことをかなり羨ましがられたけれど、私には清貴に対してチャラいイメージしかなく、そんな浮ついた気持ちなど全くなかった。
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!