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「そういう真樹はどうなの?」 「え、」 まさか自分も聞かれるとは思っていなくて驚く。 「彼女欲しい?」 「いや、今は特に…てか、欲しいと思ってもお前じゃあるまいし、出来ないよ」 蓮が彼女が欲しい、なんて言ったら彼女候補が50人は集まりそうだな… 自分で考えといてなんだけど少し凹む。 「そうなの?」 「そうだよ!」 顔が良いわけでも性格が良い訳でもない俺と付き合いたいという変人が居れば別だけど。 「あーあ、お前が変人だったら良いのに…」 そう呟くと、蓮は「なんで?」と不思議そうに首を傾げた。 「なんでもない」 言ってから、自分でも不思議になる。 なんでこんなこと思うんだろう。 好きで居られたらそれでいい、とか思ってたのに。 本当にそれで満足だったのに。 「あっ、お前帰らなくて大丈夫?」 時計を見るともう大分遅い時間になっていた。 「えー、何?厄介払い?」 そう言って、蓮がむっと唇を尖らせる。 「違うわ、気遣いだアホ」 「はいはい、真樹くんは優しいですねー」 「お前なー」 まるで子供にするように頭を撫でられ、蓮を思いっきり睨みつける。 すると、「わー、こわーい」と言いながら手を止めてくれる。 「じゃあ、まぁ、遅いし帰るね」 「おう」 「真樹にもお前邪魔だから帰れって言われちゃったし」 「言ってねーわ!」 そんな会話をしながら、リビングを出る。
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