2.

1/6
前へ
/14ページ
次へ

2.

上坂くんと別れ、家に帰るとにぎやかで何かあっただろうかと不思議に思う。 「あ、おかえり」 リビングのドアを開けると、蓮がソファーからひょっこりと顔を出した。 「た、ただいま」 蓮が急に家に来ることは結構ある。それこそ自分の家なんじゃないかってくらい気軽に来る。 でも、登下校が一緒なので蓮に家で迎えられるのはなんだか新鮮だ。 お母さんもキッチンから出てきて何やらニヤニヤしている。 「今日、蓮くんと帰らなかったのねー、珍しい…もしかして彼女でも出来たー??」 「出来てないよ、友達と帰ってきた」 そう返すと、お母さんはちぇっ、と呟いてキッチンに戻ってしまった。 なんだよちぇって… 「今日の夜ご飯、オムライスらしいよ」 「え!マジか、やった!!」 お母さんの言葉には少しムッとしたが、夜ご飯がオムライスなのは嬉しい。これだけで一気にテンションが上がる俺は、大分単純なのかもしれない。 蓮はそんな俺を微笑ましそうで目で見ていた。 「今日、蓮も食べてくの?」 「うん。親が仕事だし食べていきなさいって真樹のお母さんが」 蓮の両親は共働きで、夜も結構忙しいらしく、蓮は自炊をしている。 毎日は大変だろうということで、俺のお母さんが蓮の分も作ってうちで一緒に食べることもある。 「へー、蓮って普段自分でご飯作ってるんだよな。すごいよなぁ…」 「そうかな…?慣れればそんなに大変ではないよ」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加