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2.
上坂くんと別れ、家に帰るとにぎやかで何かあっただろうかと不思議に思う。
「あ、おかえり」
リビングのドアを開けると、蓮がソファーからひょっこりと顔を出した。
「た、ただいま」
蓮が急に家に来ることは結構ある。それこそ自分の家なんじゃないかってくらい気軽に来る。
でも、登下校が一緒なので蓮に家で迎えられるのはなんだか新鮮だ。
お母さんもキッチンから出てきて何やらニヤニヤしている。
「今日、蓮くんと帰らなかったのねー、珍しい…もしかして彼女でも出来たー??」
「出来てないよ、友達と帰ってきた」
そう返すと、お母さんはちぇっ、と呟いてキッチンに戻ってしまった。
なんだよちぇって…
「今日の夜ご飯、オムライスらしいよ」
「え!マジか、やった!!」
お母さんの言葉には少しムッとしたが、夜ご飯がオムライスなのは嬉しい。これだけで一気にテンションが上がる俺は、大分単純なのかもしれない。
蓮はそんな俺を微笑ましそうで目で見ていた。
「今日、蓮も食べてくの?」
「うん。親が仕事だし食べていきなさいって真樹のお母さんが」
蓮の両親は共働きで、夜も結構忙しいらしく、蓮は自炊をしている。
毎日は大変だろうということで、俺のお母さんが蓮の分も作ってうちで一緒に食べることもある。
「へー、蓮って普段自分でご飯作ってるんだよな。すごいよなぁ…」
「そうかな…?慣れればそんなに大変ではないよ」
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