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「いや、それでもすごいわ。蓮って偉いな」
俺なら慣れる以前に、コンビニ弁当とかカップ麺ばっかり買って食べてしまいそうだ。
ふと、蓮の作るご飯ってどんな感じなのだろうかと気になる。
「なあ、蓮の作るご飯って美味しい?」
「え、うーん…普通、かな?」
「よし、美味しいんだな。今度食べさせろください」
蓮は何事も大抵そつなくこなす。
料理も、普通とか言いながら上手いのだろう。
「えー、味は保証しないよ?」
「不味かったらハー●ンダッツな」
蓮はえー、と不満そうに顔を顰めているが、俺の頬はゆるっゆるだ。
だって、蓮の作ったご飯とか食べてみたいじゃん?
「今度、突撃してやる」
「突撃って、あんた蓮くんに迷惑かけないようにしなさいよ」
「はーい…ってオムライス!!」
ふわふわと卵のいい匂いを漂わせながらお母さんとオムライスがリビングに入ってくる。
「…ごめんねー、蓮くん」
「大丈夫ですよ。一人で食べるより二人で食べる方が楽しいですし」
「はぁ…良い子だわ…蓮くんが息子だったら良かったのに…」
お母さんがなんとも失礼なことを言っているが気にしない。
「真樹も素直で良い子じゃないですか」
「そーだそーだ」
「あんたは素直なんじゃなくて馬鹿でしょ」
「ひどい!!」
そんな他愛もない話をしながら食べるご飯はやっぱり美味しかった。
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