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1.
もし、ここが漫画の中の世界なら…
何度そう思っただろうか。
もし、漫画の中なら…上手くいかないことがあっても、最後にはハッピーエンドが待っていたりするのだろうか。
もし、漫画の中なら…失恋してもその後は、友達として接することができるのだろうか。
もし、漫画の中なら…告白しても、、この想いを抱えていても、許されるのだろうか。
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「まさ、、、まさ、、真樹、」
耳に心地よい低音が響き、肩が揺すられる。
毎日のように耳にしている大好きな声。
その声でもう少し名前を呼んでいて欲しくて、んー。と唸り肩にある手から逃れようとする。
「真樹、もう8時だよ。遅刻するよ。」
そう言われて、渋々体を起こす。
幼なじみで超がつくほどのイケメンである、杉川 蓮がベッドの端に腰を下ろしこっちを見ている。クラスの女子たちが見たら、羨ましいって言われるだろうな、なんて頭の端で思う。
「マジかー、やばいな。本当に遅刻しそう。」
「そう思うなら急いでよ。」
苦々しく笑って急かされたので、はいはい、と頷いて制服に着替える。
寝起きだからなのか、いつにも増して眩しいなこいつ。
「にしても、珍しいね。真樹が寝坊とか…寝不足?」
「んー…考え事してて」
昨日見てしまったことについて考えていたら、なかなか寝付けなかったのだ。
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