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だいたい売り場に出し終わって、他にないかしら、と探していると、すっかり空になったのクローゼットの隅に昔使っていたアクセサリーケースを見つけた。
懐かしい、と思わずつぶやく。
昔の私の宝物。どうしても欲しかった、3段ある真っ白のアクセサリーケース。高校生のときに買ったもので、かなり高価だった覚えがある。お小遣いをコツコツためて、やっと手に入れたのだった。中にはベルベットが敷き詰められていて、布団のように優しくイヤリングや指輪を包んでいる。
眺めたり、ちょっとつけてみたりして遊んでいたら、三段目で手が止まった。
シルバーの、華奢なネックレス。ハートのパーツに小さな穴が空いていて、そこに目が細かくて柔らかいチャームが通った、シンプルなデザイン。
このネックレスのために、私はこのケースを買ったのだった。
「なくしたと思ってた…」
思わず口に出してしまう。
はっきりと覚えている。このネックレスは、高校二年生の時、初めてできた彼氏に貰ったものだった。
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