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花言葉の貴公子
転校生がやって来た!
留学生がやって来た!
おフランスから、やってキタァーーーッッッ!!!
背が高く、理想も高く、鼻高く♪
所謂、三高男だヨッ! 全員集合~ッ!
『三高』って、そういうこと?
まっ、いっか!
おフランスからの、超イケメン!
超イケメンで、超紳士! 街にゃ~いない、ラ・フランス! 美し過ぎる西洋梨ッ!
ヤッホォ~イッ♪
同じクラスの男子ども、ゴツゴツ、でこぼこ、オヤジ臭、ジャガイモ男子に見えちゃうよ!
奴らはさ、休み時間にゃ~、スケベな話。エロ本見ながら、鼻血出し、品の欠片もありゃしない。スケベ眼で女子を見て、下品極まるテント張り!。
チンッ!
ところがどっこい、彼とくりゃ、スケベな奴らと、もう~真逆! 趣味も高尚! お上品!
センス極まる『花言葉』♪ お洒落な言葉が好きだって♪ 胸がキュン、キュン、ステキかよッ!
女子が夢見る王子様! 少女漫画の王子様! 瞳キラキラ、超イケメン! トップスターさ、男役! 宝塚的貴公子じゃん!
しゃれおつ、しゃれおつ、おっ洒落~ッ♪
必死に女子を口説かなくても、女子の方から寄って来る!
そもそも、スケベな男子ども、『花言葉』っすら、知らね~よ!
おうっ?
はぁ~~~、彼の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ!
私は、思い切って、おフランスからの貴公子に、ドキドキしながら、話し掛けた。
「ぼんじゅ~る(おはよう)!」
「Bonjour♪」
「『花言葉』が好きなんだってね?」
「ハイッ! 大好キデスッ!」
「ほんとステキだわ!」
「アリガトゴザイマ~ス!」
「『花言葉』のどんなところが好きなの?」
私は、西洋の超イケメン貴公子から、どんなステキな胸キュン花言葉が飛び出すのかと、ゴクリッ、と生ツバを飲み込んだ!
すると、とろけるようなセクシー唇から、鼻に抜けるような美声で、
「可愛クテ、美人デ、思ワズ吸イツキタクナルヨウナオッパイデ、プリプリットシタ、思ワズ顔面カラ吸イ込マレソウニナルオ尻ガ、大好キデス♪」
「んっ?! え、えぇ~……っと、えっ?!」
「ハナコサンノ好キナトコ、聞イタンデショ?」
「えっ? ハナコ……、さん?」
「『ハナコトバ』デショ♪」
「そう、花言葉!」
「ダカラ、ワタシハ、ハナコトバノ、可愛クテ、美人デ、思ワズ吸イツキタクナルヨウナオッパイデ、プリプリットシタ、思ワズ顔面カラ吸イ込マレソウニナルオ尻ガ、大好キデス♪」
「えっ? 誰かのこと言ってるの?」
「ハイッ! 留学初日、通学電車デ、一目惚レ! 一駅向コウノ女子高生!」
「一駅向こうの女子高生?!」
「ハイッ! 漢字デ書クト、『華子鳥羽』! 鳥羽華子サント申シマス♪ 来日、イキナリ、口説イタヨッ!」
あちゃ~!
どうやら、こいつぁ~、甘いマスクの自分をエサに、片言日本語引っ提げて、女に近づくナンパ師だ! どどどど、どスケベ留学生ッ!
はぁ~~~、白馬の王子を夢見る女子に、質が悪いぞ、悪いぞなもし!
直球スケベなジャガイモどもが、急に可愛く思えるよ。
この令和の時代に、『昭和のおばちゃん女子高生』、って呼ばれている私にゃ~、ラ・フランス、洋梨だけに、用なしだ!
綾瀬はるかにゃなれね~が、こちとら、令和の紅はるか!
芋は芋だよ、芋同士! ジャガイモ男子が性に合う!
自分好みに、育てるか♪
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